バッハの教会カンタータ> 教会カンタータの楽譜
主要な楽譜の版について
↓新バッハ全集
→新バッハ全集版カンタータ全集索引
→カンタータ全集索引フレーム版
↓旧バッハ全集
→旧バッハ全集内容目次
→BWV to BG(旧バッハ全集)対照表
↓旧バッハ全集を基礎とした諸版
↓シュトゥットゥガルト・バッハ・エディション
→シュトゥットゥガルト・バッハ・エディション発行状況一覧表
↓その他
スコアのダウンロード (download scores)
↓旧バッハ全集カンタータスコア ("Old Bach Edition" cantata scores)
↓マタイ受難曲自筆譜 (St. Matthew Passion facsimile)
↓カンタータ楽章のオルガン編曲 (cantata organ transcriptions)
カンタータを聞くとき、実演ならともかく、レコードで聞く場合には、スコアのあるなしによって音楽の「見え方」がかなり違ってきます。 ここではもっぱら実用的な観点(価格、体裁など)から、いくつかのシリーズについて情報をまとめてみたいと思います。 また、4声コラールの楽譜にも少しふれています。
まず新バッハ全集です。内容の詳細については、ベーレンライターのサイトに詳しい表が載っています。→ベーレンライター新バッハ全集のページ。
最も完備したものと言われますが、値段はかなり高いです。この新バッハ全集の中から、次の26曲はミニチュアスコアが出ています。
(BWV 4, 6, 12, 18, 31, 45, 56, 61, 62, 68, 78, 80, 91, 106, 110, 130, 132, 134, 140, 147, 158, 166, 172, 175, 176)。
ちなみに新バッハ全集でカンタータのスコアをそろえると、約50万円と言うことで、やはり高嶺の花ですね。
バッハ没後250年の記念で、クラヴィーア曲、管弦楽曲、宗教曲、オルガン曲をそれぞれまとめた廉価版が出ましたが、カンタータもいずれそのような形で出されることを切望しています。
→ amazon.deで購入(€ 699 )
→ササヤで購入(¥ 105,000 )
→早くも上に書いた「切望」が実現しました。新バッハ全集の完成を記念して、カンタータ、コラール、モテットの全曲を収録したスタディエディション19巻が発行されます。
モテット、4声コラールや新発見のBWV1127も含まれます。
単に全曲が揃うだけでなく、異稿まで収録されているのがすごいところです。(たとえばBWV82は3つの版を収録)
詳細は上記ベーレンライターのサイトに。内容の詳細、見本ページなどがあります。
(2007年2月8日)
なお、BWV順の索引を作りました。(楽章別の詳細索引としても利用できます。)
→新バッハ全集版カンタータ全集索引
また、この全集に基づいたカンタータ歌詞を順次掲載する予定です。従来、CDのブックレット、出版された書籍、ネット上の対訳などを含めて、新バッハ全集に基づく歌詞集は存在しなかったようです。
→カンタータの歌詞
19世紀の歴史的な出版だけに、信頼性では上記に劣るのかも知れませんが、これによる録音も過去に多く、また私などが鑑賞用に使う程度では違いがよく分かりません。 声部記号はバッハの時代そのままにテノール記号、アルト記号、ソプラノ記号が使われています。 また、調号にいわゆる「ドリア記譜法」(フラットが一つ少なく書かれ、臨時記号を使用する)が用いられている場合もあり、気分的にバッハに近づけるという「効果」もあります。 旧バッハ全集そのものは売っていませんが、以下のように各種のリプリントや旧バッハ全集を基礎とした校訂版があります。
まず、旧バッハ全集の内容を表にまとめてみました。
→旧バッハ全集内容目次(各巻毎の曲名)
→BWV→BG(旧バッハ全集)対照表(BWV何番が何巻何ページにあるかを示す)
アメリカのドーバー出版からは、"Eleven Great Cantatas"(BWV 4, 12, 21, 51, 56, 61, 78, 80, 82, 106, 140 : $21.95), "Seven Great Sacred Cantatas"(BWV 1, 6, 19, 46, 60, 65, 79 : $17.95)の2種類が出ています。製本も良く印刷も鮮明。カンタータ全曲があれば良いのですが、世の中そうはうまく行きません。
なお、Kalmusから縮刷で三四曲ずつまとめたものが出ていますが、それほど安くなく、印刷も見にくいので私は一度も買ったことがありません。
旧バッハ全集の全ページをPDF化し、パソコン画面で見たり、印字も可能というものです。発行元はCD Sheet Music > Digital Editions。
CD−ROM4枚またはDVD1枚におさめられ、約80ドル(送料込で約90ドル)で購入できます。
下記のSteltner氏によるものとはソースが違い、全体に鮮明で解像度もやや高くなっています。
また、PDFの機能を活かして、BWV番号で作品が検索できます。(最初に出てくる画面でそのまま"BWV 1027"等を検索できる)。
なお、各ページにはロゴマークが入っており、ファイルにはセキュリティがかけられているので、公開、編集、ページの抽出などはできません。
(その他CD Sheet Music全般についての解説は次のページを参照→CD Sheet Musicについて)
▼上記のものより以前から同様の製品として、ドイツのFred Steltner 氏作成によるCD−ROMがあり、現在も売られています。
→www.bachwerke.de。一時はHMVやJPCなどの通販で扱われたこともありました。
しかし、価格は上記の3倍程度、スキャンの品質は劣る、ページミスが多い(→CD−ROM版旧バッハ全集の欠陥表)など、現在ではお勧めできるものではありません。
唯一のメリット?として、ロゴマークやセキュリティが一切ほどこされておらず、ファイルの加工が自由にできるため、作品ごとに分割されたりして、上記のミスとともにネット上に広がっています。
(IMSLP等に旧バッハ全集の楽譜がありますが、ソースはこれです。)
▼この他に、Center for Computer Assisted Research in the Humanitiesというところに、旧バッハ全集のスコア多数があります。 ただし、特殊なフォーマットでデータ化されています。 復号化のツールも提供されていますので興味のある方は試してみてください。 BWV11, 43, 48などPDFファイルに変換されたものが、パート譜も含めて提供されています。
Breitkopf & Härtel社から全曲が出版されています。実際の演奏に広く使用されているもので、演奏会で見かけることが多いです。フルスコア、ヴォーカルスコア、パート譜もそろっています。ソースは旧バッハ全集だということですが、誤りも含めて細部の相違がかなりあるようです。
上記ブライトコップフ版を底本として、大村恵美子訳の上演用日本語歌詞を加えたもの。さらに、新バッハ全集を参照して訂正を加えていると言うことです。
→東京バッハ合唱団のサイト>バッハを日本語で歌う
昔から良く見かけるもので、現在はSchott社から出ています。内容はやはり旧バッハ全集から編集したものです。シラブルを合わせた(歌える)英語歌詞も付属しています。数年前と比べると、やや品切れが増えているようです。
現在のカタログ(BWV 4, 6, 7, 8, 11, 12, 17, 19, 21, 23, 27, 28, 29, 32, 34, 38, 39, 46, 50, 51, 53, 55, 56, 60, 61, 62, 67, 68, 78, 79, 80, 81, 92, 101, 104, 106, 117, 119, 127, 131, 137, 140, 155, 158, 159, 161, 176, 179, 182, )
→Eulenburg Pocket Score Bach Choral and vocal works のページ
▼上述のCD Sheet Musicからピアノヴォーカルスコアによるカンタータ全集も出ています。 ("J.S. Bach: Complete Church Cantatas"$24.95)。 Breitkopfの古い版を使用しているようで、歌詞なども一部違ったりします。 これと同様のものがAryeh Oron さんのサイトで公開されています。 →Bach Cantatas Website スコアのページ
ドイツのCarus-Verlag から出版されているもので、信頼できる原典を比較した校訂版とされています(→シュトゥットゥガルト・バッハ・エディションの解説(英語))。 大型スコア、ミニチュアスコア、パート譜までそろっていて、これを使って演奏している団体も多いでしょう。 価格もリーズナブルで、ミニチュアスコアで4〜7ユーロ、大型スコアはその二三倍程度です。また、歌詞がドイツ語と英語で書かれているのも便利です(英語も演奏用です)。 カンタータだけの一覧リストが本家のホームページには見あたりませんので、とりあえず作ってみました(→シュトゥットゥガルト・バッハ・エディション発行状況一覧表)。 これによると、現在入手できるのは130曲ほどで、うちミニスコアは90曲ぐらいです。なお、このシリーズはもともとHänsslerから出ていたもので、現在でも表紙に"Hänssler Edition"と印刷されたものが多数販売されています。
バッハのカンタータを聞く上でコラールを抜きには考えられませんが、4声コラールだけを集めた楽譜がEditio Musica Budapest から出ています。 内容はカンタータや受難曲などに含まれている曲と、独立のコラール(BWV 250-438)の計388曲。 版は2種類あり、一つは大判のオルガンなどで伴奏できそうな形のもの(Z. 12. 136)。 もう一つは"EMB STUDY SCORES"のシリーズで、4段総譜の形に書かれたもの=右の図(Z. 40. 101)。 前者は歌詞が省略されている場合が多く、鑑賞用や実際に歌うには後者の方が良さそうです。 収録曲は基本的に同じですが、大型判のNo.205が小型版に含まれていない代わりに小型版のNo.313が大型判に含まれておらず、結局同じ曲数となります。
4声コラールについて、さらに詳しく調べたページを追加しました。→4声コラールの楽譜(2008年3月7日)
以下のカンタータスコアは、CD Sheet Music™の同意を得た上で、
The Digital Bach Editionよりカンタータのページを抜き出し、トレードマークのロゴを取り去った上で、作品ごとに編集し直したものです。
CD Sheet Music™が、旧バッハ全集をデジタル化するにあたり相当の費用と労力を要したにもかかわらず、バッハファンのためにこころよく素材の利用を了承されたことに、感謝と敬意の念を表します。
(解説ページ→CD Sheet Music™について)
→amazon.com
なお、これらのファイルは数段階の画像処理を経ているため、オリジナルと比較して若干の画質低下の可能性があります。 また、カンタータ以外のスコアを掲載する予定はありません。The Digital Bach Editionは旧バッハ全集のすべてを含み、またBWV番号によって容易に作品を検索できます。そのような目的には製品の購入をお勧めします。
(追記)8月末から4ヶ月間かけて、ようやく教会カンタータ全曲のスコアを掲載することができました。これですべて終わりではなく、ページのミス、カスレなどの問題があれば、できるだけ改善していきたいと思います。また、必要に応じて注釈も加えていきたいと思います。(2008年12月28日)
引き続き、世俗カンタータのスコアを、おいおい掲載していきたいと思います。(2009年1月4日)
BWV201 | BWV206 | BWV208 | BWV213 | BWV30a | |||||
BWV202 | BWV207 | BWV209 | BWV214 | BWV36b,36c | |||||
BWV203 | BWV207a | BWV210 | BWV215 | BWV134a | |||||
BWV204 | BWV211 | BWV173a | |||||||
BWV205 | BWV212 | ||||||||
These scores are compiled from The Digital Bach Edition by courtesy of CD Sheet Music™ .
決して珍しいソースではありません。データはすべてアルノンクール2000年録音のマタイ受難曲CDに含まれているものです(TELDEC 8573-81036)。ただ、そのままでは用途が限定されますので、PDFに落としました。解像度は低いですが、印刷譜にはない情報が含まれていて、違った気分で音楽を聞くことができます。
まさか著作権の問題はないと思いますので、自由にご利用下さい。
(なるべく、右クリック→「対象をファイルに保存」等で、一旦ダウンロードしてからご覧下さい。)
St. Matthew Passion facsimile (low definition, taken from TELDEC 8573-81036)
Part 1 (43MB) |
Part 2 (46MB)
最近購入したCDで、カンタータ楽章をオルガンに編曲したものがあり、軽やかで美しい演奏がなかなか楽しめるものでした。その編曲者のホームページがあり、楽譜が公開されています。
"The Works"に楽章のデータがあり、"View or Download"から楽譜を見ることができます。
→Transcriptions of Works by J. S. Bach / Organ transcriptions for free
(2006年2月8日)